会期:2021.5.14(金)~5.19(水)
11:00~17:00 ※5/17(月)定休
会場:カフェスロー(国分寺駅南口より徒歩5分)
主催:親子のおえかきひろば
この展覧会について
子どもたちが、自分からお絵かきをし始める瞬間のことに、
思いをめぐらせてみたいと思います。
子どもの経験を広げるために、
大人が子どもにいろいろなことをやらせようとしても、
子どもは全くやろうとしないことが、よくあります。
「やってごらん」と声をかけても、「一緒にやろう」と誘ってみても、
やって見せても、やさしく言っても、何度言っても、
やらないときは、どうしてもやりません・・・。
それでも急に嬉々として、
子どもから何かをし始める瞬間があるとしたら、
子どもが自分から動き出すささやかな兆候を大人が感じたとしたら、
そこに子どもの世界を広げていくヒントがあるように感じています。
その兆候は、大人が簡単に見過ごすには十分なくらい、
はかなく、ほのかなものです。
「やってみたい」という子どもたちの意志の萌芽を、
お絵かきの世界の中で、追いかけてみたいと思います。
親子のおえかきひろば
「ヨーグルト」から、始まる
こぼした牛乳、落としたヨーグルト
必ずさわって、かき回す。
手を動かして残った線を楽しむのが
「お絵かき」だとしたら、
子どもの生活は、毎日お絵かきでいっぱい。
子どものお絵かきは、大人が“見つける”。
「ぜんぶ!」から、始まる
ぜんぶぬりたい。
ぜんぶのクレヨンを、つかいたい。
ボトルに入った絵の具をぜんぶ、つかいたい。
どの色と、どの色の絵の具をまぜる?
「ぜんぶ!」
ぜんぶぜんぶ。
ぜんぶやりたい。
※P.S 大人はほどほどに、やらせたくなっちゃう。
「何か描いてある紙」から、始まる
「何か描いてある紙に、絵は描けないでしょ」と思い込み、
真っ白い紙を必死に探していました。
しかし、特に1,2歳児は、
何か描かれている紙の方が、描き始めやすいことがあるようです。
カレンダーの紙に絵を描くとするならば、
カレンダーの裏の何も描かれていない方よりも、
カレンダーの日付や絵がある方に絵を描き始めるという、そんな感じ。
「子ども同士」から、始まる
おともだちがやっていることを、
一生懸命にまねをする。
おともだちがピンクなら、私もピンク。
子どもに「お絵かきをさせよう」とするよりも、
楽しく遊ぶ子どもたちの輪の中に入れてあげて、
子どもたちの心に、楽しくお絵かきをしているおともだちの姿を、
見せてあげたいと思います。
「手足」から、始まる
まずは自分のからだで、たしかめてみなきゃね。
しかも何だか、くすぐったい!
クレヨンが、肌の上でいい感じ。
「ねえ!あかいあし!」
ほんとだ!
これは、
びっくりだ。
「音」から、始まる
クレヨンを紙にたたききつけると聞こえる、
コン、コンという音。
「描いて」いると思ったら、
「聴いて」いた。
「水あそび」から、始まる
「子ども=よごすのがすき」というわけではないようです。
絵の具でよごれることを嫌がる子どもたちもたくさんいて、
「いやだ」という気持ちをどうしたら受け止められるか・・・
と思っていた時に出会ったのが、
水でお絵かきができるシートです。
お水なら、子どもたちも思わず手が出て、
気が付くとお絵かきが始まっています。
筆で絵の具のように描けて、手形がのこり、よごれすぎない。
これなら、より多くの子どもたちがお絵かきを始められます。
水のお絵かきを経験したあとに絵の具でお絵かきをすると、
絵の具を躊躇する子どもも少なくなると感じています。
子どもの大好きな「水あそび」から始まる、お絵かきです。
「点」をめがけて
自分で貼った丸シール。
丸の「点」にマーキングするように、
手を動かす様子が度々見られます。
おめめに、みえるのかな?
おかおに、みえるのかな?
丸の「点」は、
小さな子どもたちにとって、
何か特別なかたちのようです。
「ぬりえ」から、始まる
ぬりえでおえかき。
ぬりえはおえかき。
ぬりえがおえかき?
子どもがよろこんで色をぬっているのなら、
それは何でも、
たのしいおえかき。
バス!
知っているものを見つけると、
思わず手が動く。
その上に描く、塗りつぶす。
「変化する楽しさ」から、始まる
たまたま手を動かしたら、
目の前が変化した。
自分の手を動かすと、
どんどん目の前が変化する。
子どもが絵を描く原動力は、
目の前の変化。
「一緒に描いている気持ち」から、始まる
大人がクレヨンを持ち始めると、子どももクレヨンを持ち始め、
大人が描いた絵の周りに、子どもが丸や線などを描き始めたりするのは、
よくみられる光景です。
大人と一緒に描くことによって、
「自分も描いている」という楽しい気持ちを共有していると感じます。
人の本気を、見逃さない
子どもが楽しく絵を描くためには、
大人が楽しんで絵を描いてみせるといいらしいから、
子どものために楽しそうに絵を描いてみる。
けれども、大人のそういう楽しい“ふり”を
子どもが簡単に見やぶるから、むずかしいところです。
大人が本気で書こうとするもの、例えば
問診票、申し込み用紙、受付表。
これには描いちゃだめよ、
これだけは描かないでね、
というものほど、
子どもがペンを持ち出して一緒に描こうとしませんか。
子どもは、人の本気を感じる本能があるのではないかと思うほどです。
「いい描き心地」から、始まる
描き心地のいいクレヨンがあります。
子どもの手をどこまでも引っ張ってくれるような、
子どもと一緒に遊んでくれるクレヨン。
いい道具が、
子どもの描きたい気持ちを引き出してくれます。
シール!シール!シール!
なぜか、
子どもはシールが大好き。
お絵かきはしなくても、シールなら貼り始め、
そのシールをきっかけに、お絵かきが始まることがあります。
「親子のおえかきひろば」では、
「お絵かきしよう」の言葉の代わりに、いつもシールを常備。
子どもたちの大好きな、シールから始まるお絵かきです。
描いてみたらどうなるのかな、と思って。
描いてみて、
はじめてわかる。
こともある。
*un:control* ※15の理由、おまけのあと一つ
(どうして線を描いたの?)
(筆がおちてたから。)
何が本当の、“始まり”のきっかけになるのかな。
子どもたちが楽しくお絵かきできるように、
意図をもって環境をつくり、
道具や材料を選んでいきたいと、
真剣に考えようとしていますが、
大人の計画や思惑など、
本当は届くはずのない尊い場所に、
子どもたちはいるのだな・・・と
いつも思います。
以上、「1~3歳がおえかきをし始めた15の理由展」 おわり
ご覧いただきまして、ありがとうございました。
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